Category : 知っておきたい、イタリアのこと

経済事情から知る、イタリア

イタリア流、というとどのようなものをイメージするでしょうか?のんびりと農業にいそしむ陽気な人たちを連想することもあれば、葉巻片手の強面な人たちを連想することもあるでしょう。対照的なイメージではありますが、どちらが本当のイタリアなのか。経済事情から読み解いていきましょう。

日本よりも深刻な経済事情

不況だ、と昨今騒がれ続けている日本ですが、イタリアの不況はもっと深刻です。もう何十年も不況が続いており、若者の失業率は日本とは比べものにならないほど高くなっています。仕事がしたくても仕事がない、という状態が続いているのです。

とくに南部はその傾向が顕著で、多くの若者は仕事やもっとよい収入を求めて北部へと移り住んでしまい、南部は仕事がないことに加えて過疎化も進んでしまっています。この影響で南部と北部の経済格差は確実に開いていっており、深刻なもののようです。

また失業率の高さだけでなく、職種による所得の格差も非常に深刻。イタリアでは政治家などの高所得者と一般的なサラリーマンとでは大きな収入格差があります。これは日本にも言えることですが、より顕著で先進国のなかではダントツ。

しかもフィレンツェなど、ある程度の収入が見込める観光地では税金対策のためにイタリア以外からきている外国人を雇い入れることが非常に多く、イタリア人はなかなか就職できない現状も。そのため多くの将来有望な若者はどんどん海外へ進出してしまい、イタリアなのに働いているのは外国人ばかりという不思議な光景が広がる結果となってしまったのです。事実フィレンツェの飲食店などでは日本人が非常に多く働いています。

しかし冷静に見てみると、イタリアの実情は現代の日本に非常によく似ています。日本もこのまま不況が続くとイタリアのような深刻な状態になりかねない、ということなのでしょう。

不況でも充実した生活をしているイタリアの人たち

イタリアの経済事情は非常に先行きが不安なことが多いですが、実際にイタリアで生活している人たちは非常に毎日を楽しく過ごしています。とくに失業者が多いはずの若者たちは毎日を生き生きと送っている人が多いんだそう。

その理由はやはりイタリア人たちの気質。収入のよしあしではなくいかに上質な生活を送れるか、ということに重きを置いているためです。とくに最近はそういった考え方が若者にかなり強く根付いてきており、ここ数年の若者たちのあこがれの職業はアグリツーリズムのオーナー。

アグリツーリズムとは日本ではグリーンツーリズムと呼ばれており、いわゆる農村民泊です。空気も水もきれいな農村部で自給自足に近い生活を送りつつ、都会からくる宿泊者をもてなす。決して多くの収入は見込めませんがそれでも質のよい、充実した毎日が送れると人気なのだそうですよ。

このように不況だ、失業率が高いといわれるなかでもマイペースに自分らしく楽しく生きることを貫くイタリアの人たち。アグアツーリズムの人気の高まりとともに地方の過疎化も少しずつ改善してきている、という話もあるほどです。一方でサラリーマンのような勤め人は減少傾向にあるようですが。とはいえ日本人もこうした自分たちの生活の質をあげること、ということに重きを置いて生活する時期がきているのではないでしょうか。

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