Category : イタリア人の性は解放的?

一応はカトリックの国

イタリアでは、約半数のカップルの結婚が失敗しています。近年では、あえて事実婚(同棲)のままで過ごすカップルも増えていますが、夫婦生活の破綻率はいっこうに減る気配もありません。ほぼ全国民がカトリックの国ですが、少なくとも結婚という問題については、宗教ではまるで抑制できなくなってきています。

結婚しないカップル

イタリア人が社会で一人前だと認められるには、教会で正式に結婚式を挙げておく必要があります。社会的地位の高い医師、弁護士、政治家などが、教会での式を省くことはまずありません。結婚している男性は、信頼できる人というイメージもあり、いい仕事や出世のチャンスにも恵まれやすくなります。教会は社会の権威と今でも深く結びついているのです。

愛情が続いているうちは問題ありませんが、夫婦関係が冷えてくると、面倒を乗り越えてでも、離婚しなければいけなくなります。カトリック社会は離婚には否定的なので、裁判所と教会に離婚を申請しても、それが認められるまでに何年もかかるのが普通です。破局したカップルは別居生活を送りながら、それぞれが独身に戻る日を延々と待つことになるわけです。新しいパートナーを見つけても、こんな状態では再婚も簡単にはできません。事実婚のケースが増えるのも、仕方のないことだと言えるでしょう。

イタリア人の中には、離婚のわずらわしさを避けるために、初婚から事実婚を選ぶカップルも増えています。恋もいつかは冷めること、他に恋愛の対象が移るかもしれないことを前提にしているのでしょう。極端なようにも思いますが、夫婦になってからでも、情熱はいつまでも不可欠だとする、ラテン系らしい考え方です。

熟年夫婦こそ離婚の危機

安定した結婚生活を送り、子どもにも恵まれた夫婦が突然別れてしまうことは、イタリアでは珍しくありません。破局が一番多いのは、結婚後10年以上が経過した40代の夫婦で、50代、30代とそれに続きます。こらえ性のない若いころでなく、熟年になってから訪れる危機には、一体どんな背景があるのでしょうか?

さまざまな原因がありますが、夫婦生活が円熟期を迎える年代にとって、セックスの不和は常に深刻な問題です。たとえば子どもがいて、お互いに新鮮味を感じられなくなっていても、パートナーから情熱の証を示されることを、夫も妻も求めています。愛と情熱をひとつのものと考えるイタリア人にとっては、セックスがうまくいかなくなることは、愛情がなくなったことにほかならないのです。

教会の権威が重要だったころの、祖父祖母の時代のイタリアでは、多少の不満があっても、夫婦はぎりぎりまで離婚を避けました。結婚生活を維持することは、社会生活を営むうえで欠かせなかったからです。情熱的なラテン気質が暴走するのを、カトリックの倫理がうまく食い止めていたといえるでしょう。

宗教が頼りにならなくなった現代では、カウンセラーのところへ相談に行く夫婦も増えています。現代のカップルは、問題解決のためにまったく新しい方法を探す必要に迫られているのです。

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