Category : イタリア流、人生を豊かにするコツ

お金がなくとも豊かな人生にするためには?

世界的に見てもイタリアの不況は深刻なものがあります。仕事がない、ということだけでなく経済格差も非常に大きいです。一見データ上ではそこまで平均所得は低くないものの、これは一部の高所得者が平均を押し上げているだけなので一般市民の収入はわずかなもの。さらに所得の半分近くを税金として納税しなくてはいけないため、総収入と実質使えるお金には大きな差があります。しかしそんな低い収入のなかでもイタリアの人たちは決して不幸そうではありません。収入がなければないなりに人生を楽しむには、イタリアの人たちを見習ってみてはいかがでしょう。

よくも悪くもお金にこだわりがない

イタリアの人たちはよくも悪くも臨機応変、非常に柔軟な考え方をもっています。お金がないならその分だけで楽しめばいい、というのがモットーのよう。日本だとさらに働いて収入を増やそうとするのですが、イタリアの場合所得があがってもその分税金で持っていかれてしまうため働くだけムダ、と考える人が多いことも一因しているようです。

そのためイタリア人たちの普段の生活は割と質素。記念日のような気合の入ったデートでなければレストランは使わず、持ち寄りのホームパーティーでふれあいを楽しみます。また自家菜園を営んでいる人も多く、野菜は買ったことがないなんて人もしばしば。食事についても老人などはサラダやチーズだけで普段からすませる場合も多く、ゆっくりと食事時間をとることから1日2食が当たり前なんて人も珍しくありません。さらに洋服などの日用品も観光客が訪れるようなショップで買う人は稀で、一般市民は週に1度開かれるメルカート(市場)で購入します。屋台もあれば食材もあり、洋服やアクセサリー、日用品も安く豊富にそろっています。イタリアの人たちは週に1度、このメルカートに出かけて自分の趣味にぴったりの掘り出し物を見つけるのが楽しみなんだそうですよ。もちろんただ買うだけでなく選ぶときに同行者とじっくり話し合う、その時間すらも楽しみにしています。

究極の娯楽はやはりコミュニケーション

イタリアに住んでいたり、足を運んだことがある人ならご存知でしょうが、イタリアは日本と比べると娯楽が少ない国です。もちろん映画やオペラ、サッカーなどの娯楽は存在しますが毎日のように足を運ぶか、というと難しいところですよね。一部の市では無料で娯楽が提供されていることもあるようですが、やはり数は少な目。

ではイタリアの人たちはいったい何を楽しみにしているのか、というとやはり人とのふれあいであるコミュニケーションです。イタリアにはピアッツァやバールといった市民たちが集まる、憩いの場のような飲食店が多くあります。ピアッツァはピザをメインとした、バールはワインなどのアルコールをメインとしたいわば喫茶店のような店。バールはどちらかというと日本のバーに近いですが、あそこまで落ち着いた雰囲気ではありません。どちらかというと大衆酒場、といった雰囲気でしょうか。イタリアの人たちは毎日のようにこうした飲食店に足を運び、ピザひと切れ、ワイン1杯を片手に会話を楽しむのです。またバールなどではイタリアで絶大な人気を誇るサッカー中継がいつもテレビで流されていて、サッカーの結果に一喜一憂しながら宴会を繰り広げるのが日常的な風景なんだとか。

またピアッツァやバールのような店に行かずとも、ジェラート片手に町を散策したり公園で話し込んだり、といった光景もよく見られますね。住宅街のあちこちでは井戸端会議で盛り上がるご婦人方がたくさんいますし、老人たちは誰かに家に集まっておしゃべりに興じます。イタリアの人たちにとって会話こそ、最強の娯楽なのです。

このようにイタリアの人たちはお金がないからといって決して卑屈になったり、不幸だと思うことはありません。ないものはないのだから、ないなりに楽しもうという精神なのです。日本人だと収入が低い、貧乏は不幸という認識になってしまいますよね。ですがもしかしたら、それは勝手に日本人がそう思い込んでいるだけなのかもしれません。お金がないことを卑屈に思わないことこそ、人生を豊かにするにはいちばん大切といえるのではないでしょうか。

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